腫瘍内科とは

私共、ヒトが長寿化したことに伴い悪性腫瘍(がん)の発生が二人に一人の割合でみられる時代となりましたが、動物においても同様にがんの発生が多くみられるようになってきました。
がんに対する内科的治療に際しては、がん種別の正確な病理診断、臨床的ステージ分類、細胞の悪性度(異形成の度合い)、生物学的挙動そして患者の健康状態を識ることが最も重要です。
動物医療における、がんの診断技術の進歩・向上は、各種画像診断(レントゲン画像、超音波画像、CT画像、MRI画像など)と相俟って細胞診断ならびに組織病理診断の精度の正確性により強く支持・信頼できる水準に達しています。

◎ 動物のがん治療法
◎ 化学療法とは
◎ 免疫療法とは
◎ 免疫細胞療法とは

動物のがん治療法

動物のがん治療法は、ヒトの標準三大治療法(外科療法、化学療法、放射線療法)に準じますが、更には第四の治療法として免疫療法を選択肢の一つに加えることができます。


◆ 外科療法 – 手術による原発病巣ならびに所属のリンパ節・リンパ管の摘出。
最も短時間で最多数のがん細胞の切除が可能ですが、がん細胞を播種する可能性もあるため単独では再発・転移に至る場合もあります。


◆ 化学療法 - 所謂、「抗がん剤」治療。
がん細胞だけではなく正常細胞にも作用するため副作用が強く、またがん細胞のみに作用する「分子標的治療薬」の適用は動物医療では限られています。


◆ 放射線療法 - 放射線をがん病巣に照射してがん細胞を死滅させる。
動物医療においては実施可能な施設が限られ、照射部位に含まれる細胞は全て死滅するため正常細胞も傷害されます。また、放射能の被曝により免疫機能が抑制されます。


◆ 免疫療法 - 主に単一抗体(モノクローナル抗体)を投与する「抗体医薬療法」と免疫細胞を体外で分離・培養して体内に戻す、「免疫細胞療法」に大別されます。
「抗体医薬療法」は現在、ヒト型抗体は種間の交差性に問題があるため動物には適用はできませんが、将来的には動物種別の抗体の作成に期待が持たれます。
「免疫細胞療法」は動物医療においても適用が可能であり、患者自身の細胞を用いるため副作用が少ないというメリットがあります。
更に、非特異的免疫賦活薬や各種免疫増強サプリメントを投与する「免疫賦活療法」は代替療法としての歴史があり且つ実績があります。


* 当院では、一部の化学療法また主に免疫療法を中心に動物のがん治療を実施しています。

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化学療法とは

「抗がん剤」の投与による治療法の適用は全てのがんに有効ではなく、動物医療域で有効性が確認されているのはリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、多発性骨髄腫、可移植性性器肉腫に限られます。
抗がん剤は、従来の殺細胞性抗がん剤と分子標的治療薬に分類され、上記のがんに第一選択として、また外科手術を前提とした術前化学療法および術前術後化学療法として適用しています。
殺細胞性抗がん剤はDNAおよび蛋白合成を阻害するのに対して、分子標的治療薬はがん細胞に特異的な分子を標的として作用します。現在、動物医療域において日本で応用可能な分子標的薬は、イマチニブとトセラニブがあります。両薬剤の適応は肥満細胞腫ですが、適応外使用で他のがんへ用いた報告があります。
殺細胞性抗がん剤の副作用は、骨髄抑制、消化器障害、免疫機能抑制など致命的なものが多く、また分子標的治療薬の動物医療域における使用の歴史は浅く、今後更に知見が深まってゆくものと考えられます。

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免疫療法とは

ヒトの体内では毎日5000~6000個のがん細胞が発生し、それを免疫の力で破壊していると言われています。動物においても同様の機序が働いていると考えられています。

免疫は自己と非自己(異物)を判別して非自己を排除する機構であり、免疫療法は自らが持つ免疫力を活性化・増強することを目的とするがん治療法です。生体は本来、がん細胞を異物として認識し攻撃する能力を備えています。がん患者ではこの能力が低下していることが多く、患者自らの免疫系を賦活・増強をはかりがん細胞を破壊、あるいは細胞死に導くという点で優れた一治療法であるといえます。以下に当院で実施可能な「免疫細胞療法」をご紹介致します。

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免疫細胞療法とは

生体の免疫機構は、自然免疫系と獲得免疫系に大別されます。自然免疫系の免疫担当細胞には単球、マクロファージ、多形核顆粒白血球、NK細胞などがあります。また、獲得免疫系の免疫担当細胞はリンパ球や樹状細胞が特異的な役割を果たしています。リンパ球には、抗体を産生するBリンパ球(B細胞)とTリンパ球(T細胞)があり、さらにT細胞はヘルパーTリンパ球とキラーTリンパ球に分かれます。

免疫系が異物を排除するには先ず第一に食細胞(マクロファージ、樹状細胞)が異物(抗原)を貪食します。ついで、貪食した細胞の表面に異物(抗原)の情報が表出され、各種免疫担当細胞に提示されその情報を基に活性化の連鎖が誘導されてゆきます。

当院で実施可能な免疫細胞療法とは、このような免疫機構において特に重要な働きをしている免疫担当細胞を採血により分離し、活性化して数を増やし、あるいは抗原(がん細胞)と共に培養して点滴で患者に戻す療法です。

◎NK細胞療法(イヌキラーセル療法)について
NK細胞療法(イヌキラーセル療法)(1)
NK細胞療法(イヌキラーセル療法)1

 

 

 

 

 

NK細胞療法(イヌキラーセル療法)(2)
NK細胞療法(イヌキラーセル療法)2

 

 

 

 

 

樹状細胞・活性化リンパ球培養

 

 

 

 

 

 

樹状細胞ワクチン療法

 

 

 

 

 

 

 

 


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定期健康診断

主要臓器スクリーニング検査・尿検査・レントゲン検査
費用:10,000円(税抜) 
※主要臓器スクリーニングは血液検査

☆オプションで心電図検査・エコー検査も可能です。
☆定期健康診断を受けられる際には、朝食を抜いて午前中にご来院下さい。

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